限定小説【No.5】

今回は七瀬ちゃんと天堂先生が
まだ付き合っていない頃のお話になります!!
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「立花先輩…?」

「久しぶり、七瀬ちゃん」

「………」

もっと、もっと早く佐倉にちゃんと自分の気持ちを伝えていれば、こんな事にはならなかったのかもしれない。自分の気持ちには、薄々気がついていた。でも、プライドが邪魔をして、ずっと言えなかった。もしかしたらこの男の元へ行ってしまうのかもしれない…。これはただの勘違いかもだけど、この男は佐倉が好きなんだろう。

「なんでここにいるんですか?」

「高校の同級生がここで入院しててね、
ほら、中村春樹、覚えてる?」

「あ〜、中村先輩!どこか悪いんですか?」

「いや、中耳炎で手術だよ」

「あ〜」

「中村が七瀬ちゃんを見かけたって言うから
探してたんだ、ずっと伝えたかった事もあるし。」

「伝えたかった事?なんですか?」

「うん、好きなんだ、七瀬ちゃんが。」

「え?」

「えぇ!?勇者を!」

「……」

ほらやっぱりな。



そろそろ幸せになるよ



「私が好きって、え、どういう事ですか?」

「そのままの意味だよ」

「恋愛感情ですか?」

「うん」

「それは、告白ってやつですか?
それで付き合ったりするあの好き、ですか?」

「うん、そうだよ」

「えぇー…」

「勇者テンパってんねー、
天堂先生いいのー?取られちゃうよー?」

「別に俺のじゃないし」

「………魔王」

「あの人誰?」

「あ、ここのエースですよ、
めっちゃくちゃカッコイイお医者さんなんです!」

「へぇー、七瀬ちゃん好きなの?」

「はい!なので立花先輩、ごめんなさい」

「そう言われても諦められないなー」

「えぇー?ていうか先輩そんなキャラでしたっけ?」

「キャラとかじゃなくて、
七瀬ちゃんが好きだからその
気持ちをさらけ出してるだけだよ。」

「勇者、いつまで経っても天堂先生と進展ないし、
こっちのイケメンに乗り換えちゃえば?」

「はぁ!?しませんよ〜!そんな事!」

「でも、天堂先生よりも若くて、
まぁ顔は天堂先生には負けるけど
カッコイイし、何より優しそうじゃない!!」

「そう言われても、私は」

「まぁまぁそう言わずに、
1回デートして見たら?」

「それいいですね、
じゃあ七瀬ちゃん、今度デートしよっか。」

「えっ、」

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「おはようございます、立花先輩」

「あ、七瀬ちゃんおはよー
その服可愛いね」

「あ、ありがとうございます…」

本当はこれ、いつか天堂先生とデートしたいなと思って買った服…、違う人とのデートで着る事になるとは。確かに、立花先輩はカッコイイけど、私にとっては天堂先生が1番カッコ良くて、本当は今日だって、天堂先生との、デートならいいのにって、思ったりして…。あ、だめだめ、こんな気持ちで、先輩とデートなんて失礼だ、気持ちは変わらないけど、今日はちゃんと向き合わないと。

「じゃあ行こっか」

「はい」

「夢みたいだなぁ…」

「え?」

「卒業式が終わったあと、
告白するつもりだったんだ…
でも、七瀬ちゃん、熱で
その日休みだって聞いてさ…」

「……」

「あの時、めっちゃ
悔しかったの今でも覚えてるよ。
だから、夢みたいだ…。」

「……ごめんなさい」

「え?」

やっぱり…、私は先生の事が好きで、他の人の事は見れない。最初からその事は分かっていた。それでも先生との進展はないし、そう思うと、この先どうなるのか怖くて、今日、デートに来た。でも分かった、この先、先生と結ばれなかったとしても、他の人は選びたくない。

「今日1日くらい、ちゃんと先輩を
見ようとは思いました。
気持ちは変わらないけど、
向き合おうと思いました、
でも、やっぱり無理です…、
初デートは、天堂先生とがいい…。」

「……」

「だから、ごめんなさい…」

「分かった、こっちこそごめんね、
急に好きだなんて言われて動揺したでしょ?」

「そりゃあ、ビックリしました…
でも、謝る事じゃないですよ、
純粋に、嬉しかったです、ありがとうございます。」

「…そっか、じゃあ俺もういいや、諦めるよ。
嬉しかったって言ってくれただけで十分だ。」

「これからも、先輩は先輩でいてください…」

「うん、じゃあ次会う時は、気まずいとかなしね?」

「はい♪」

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エレベーターで先生にばったり会った。

「あ、先生…仕事帰りですか…?」

「あぁ」

「私、今日デートしてきたんですよ」

「へぇー」

「……」

やっぱり、何とも言ってくれない、先生は魔王だ。いや、私に興味がないのもあるけど。いつになったら先生は振り向いてくれるのだろう。時々、不安になるけど、ずっと私は先生に、好きと言い続ける。

「ねぇ、先生」

「それで、どーだったんだ」

「へ?」

「付き合う事にしたのか?」

「あ、いえ、お断りしました…」

「…そうか」

「え、気になるんですか?」

「別に」

「私、先生が好きなんです!
先輩じゃなくて、先生が!
なので、先生付き合ってくれませんか?」

「無理」

「……ですよね」

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「はぁ…」

佐倉にエレベーターで告白をされた。何回目だろうか。俺も佐倉が好きだけれど、もう少し、このままでいよう。まだ、みのりの事を忘れる事ができない。いつか、気持ちの整理がついたら、告白しよう。

「みのり、どう思うか?佐倉の事…」

机に飾られている、みのりの写真に向かって話しかける。きっとみのりは、浬が幸せならそれでいい、とか言うんだろうな。ずっとみのり1人を愛せなくてごめん、そろそろちゃんと、幸せになるよ、心の中でそうみのりに言った。

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以上になります!
今回はリクエストではなく、
私が1から考えためのになります!
いかがでしたかー?

高梨みやびofficialサイト

2020.5.21.スタート

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