限定小説【No.3】
皆さんこんにちは!高梨みやびです!
今回は恋つづ×新蘭小説になります!!
蘭ちゃんが病気で日浦総合病院に入院するというお話です!
今日はpixivの投稿日でもあります!
pixivもこれから投稿するのでチェックしてください!
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「……私はこれで十分…」
「蘭、」
「だから、行ってきて…?
頑張っておいでよ、新一」
「でも」
「私、探偵として
イキイキしてる新一が好きだよ?
私の事を気にしてロンドン行かないとか
そんなの新一じゃないし。」
でも、こんなの、嘘だった…。私は自分の心に嘘をついたの、本当は行って欲しくないし、離れたくない、でも、私のせいで夢を諦めて欲しくない、ロンドンに行って探偵の仕事を頑張って欲しい。それに、行っちゃったらいつも新一は、私の事なんて忘れるくらいなんだから。
はっぴー
「先生!聞いてくださいよっ」
「ん?」
「今日入院し始めた毛利さんの彼氏って
あの有名な工藤新一さんだったんです!!」
「工藤新一?誰だそれ?」
「えっ、知らないんですか?先生」
「だから聞いてるだろ」
「有名な大学生探偵ですよ〜
やっぱ先生遅れてますよね〜」
「悪かったな、俺はどうせもうおじさんだ」
「とにかく、さっきその工藤新一さんに会って!
めっちゃくちゃカッコよかったんです!顔ちっちゃいし!」
「へぇー」
(気に入らない…)
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「ここの病院大きいよねぇ〜
中庭がとっても綺麗なの」
「良かったな、蘭」
「うん、本当に良かった。」
私はある病気になった、その病気の治療は難しく、中々受け入れてくれる病院が無かった時この日浦総合病院が受け入れてくれる事になった。まさか、自分が病気になるとは思わなかった、大好きだった空手もやめて、大学も行けなくなって、でも治療すれば治るんだ、後遺症が残らなければ…。
「ねぇ、新一写真撮らない?」
「急にどうしたんだよ」
「記念よ記念、大人になった時、
こんな事もあったなーって見れるように。」
「そーだな」
私はいつまで自分の心に嘘をつき続けるのだろう、写真を撮るのは、思い出が欲しいから、治療はしてくれる病院が見つかったからって、成功するとは限らない、信じてるけど、やっぱり怖い…。
「ふふ、後で印刷して飾ろーっと♪」
「蘭、なんか食べたいものあるか?買ってくるよ」
「いーわよそんなの、
私は少しでも長く新一といたい。
これでも、不安なんだから。」
「…悪い、そばにいるよ。」
「……うん♪」
大好きな新一と、1秒でも離れるのが嫌になった、だって、もし本当に離れ離れになっちゃったら…。そう考えちゃうの。いつからこんなに弱くなったんだろう、でも、強くならなきゃ。手術したら、治るんだから…。
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「あーん」
「そんな事したって俺の機嫌は治らない」
「もー、ほんと先生ってお子ちゃまですよね、
有名人をカッコイイって言っただけじゃないですか。」
「だからそれがとても気に食わない」
私の旦那さんは、ものすごく嫉妬深くて、独占欲の塊だ。嬉しくて、笑いそうになるけど、機嫌を戻すのがめんどくさい。何でこんなに子供なんだろうと思うけど、前よりも自分をさらけ出してくれてるんだ、心を開いてくれてるんだと思うと、嬉しい。
「安心してください?私に
とっては先生が1番カッコイイですからっ!」
「だからそんな事したって
俺の機嫌は治らないと言ってるだろ」
「じゃあ何したら治ってくれるんですか」
「言わなくたって分かるだろ」
「先生のばか…」
そうでしたね、先生はキス魔でした。中庭には誰もいないし、まぁいいかと思って先生にキスをする。まだ慣れないなぁ、結婚して数年経つのに。
「あ…」
「あ、」
「ご、ごめんなさい、
邪魔するつもり無かったんですけど」
「い、いえ、」
「仲がよろしいんですね」
「実は、結婚してて」
「そうなんですか、いいなぁ」
毛利さんはそう言って微笑む、何か悲しげで、目が離せない、とっても美人だなぁ、さすが工藤新一さんの彼女さん。Twitterとかで噂になってたのとは全然違う。
「じゃあ俺は先に戻ってる、」
「は、はい」
「では失礼します」
「はい」
多分先生は察したのだろう、私が毛利さんの相談にのってあげたいと思っていた事を。そうして私は毛利さんに「お隣どうぞ」とベンチに座らせた。
「何か、私でよければ
お話聞きますよ」
「……」
「……」
「…実は、私が病気なんかに
なって無ければ彼はロンドンに行くはずだったんです。」
「彼って、工藤さん?」
「はい…けど、私の病気が発覚
してからそのロンドン行きはやめたみたいで…」
「……」
「でも新一にはロンドンで活躍してほしいんです、
沢山の人の事件を解決して欲しい
私なんかの事でそれをやめてほしくないんです。」
「でも、工藤さんは毛利さんを心配して…」
「分かってます、
それに私も本当は行って欲しくないんです。
今まで沢山遠距離恋愛してきたので。
でも、諦めて欲しくない…
矛盾してますよね、すいません。」
名探偵の彼女って、大変なんだな…。今まで遠距離恋愛してたって多分、工藤新一が失踪したとかなんとかの噂の事なんだろう。行って欲しくない気持ちは分かる。諦めて欲しくない気持ちも分かる。
「新一は、沢山の人を
救ってくれる正義のヒーローなんです。
そんな新一が好きだから頑張って欲しい。」
「そうですよね、話し合った方がいいと思いますよ。」
「そうですね、ちゃんと話し合ってみます。」
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「……ねぇ、新一?」
「んー?」
「私、新一にはロンドン行って欲しい」
「何言ってんだおめー」
「私も自分で何言ってるのか分からない…
でも、そばにいて欲しくない」
「は?」
「あ、いや、行って欲しくないけど行って欲しいの、
弱ってる姿、見せたくないし、
それに、ロンドンで夢を追いかけて欲しい。」
「無理だ、俺がいない間に
蘭になにかあったらどうするんだよ。
それに寂しくないのか?」
「……私はこれで十分…
今まで沢山一緒にいたんだから。
そりゃあ遠距離恋愛の時もあったけど
一緒にいた時の方が長いよ?
新一が私がいなくても大丈夫なように、
私も新一がいなくても大丈夫だから。」
「蘭、」
「だから、行ってきて…?
頑張っておいでよ、新一」
「でも」
「私、探偵として
イキイキしてる新一が好きだよ?
私の事を気にしてロンドン行かないとか
そんなの新一じゃないし。」
でも、こんなの、嘘だった…。私は自分の心に嘘をついたの、本当は行って欲しくないし、離れたくない、でも、私のせいで夢を諦めて欲しくない、ロンドンに行って探偵の仕事を頑張って欲しい。
「蘭…」
全て自分の気持ち、話そうと思った、でも、しっかり言えなかったな、行かないでって今でも思ってる自分と、行ってきてっていう自分、完全に矛盾してるけど、どっちも本心で、でもどっちも言ったら新一は困っちゃうから、行ってきてというのを1番強く伝えた。
「ロンドンで1人前になったら、
ちゃんと蘭を迎えに来るから、
それまで、頑張れるか?」
「もちろん…」
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「えっ、じゃあ言わなかったんですか?」
「行って欲しくないけど、
行って欲しいとは言いましたよ。
でも、行って欲しくないって
しっかりは言いませんでした。」
「なんでですか?」
「だって、困らせるだけですもん、
ちゃんとあいつには自分の夢と向き合って欲しいんです
そしたら前みたいに、私の事忘れるくらい
集中出来ると思うから……。」
「……」
「いつもそうなんです、
全て忘れて事件の事だけ集中する、
それが新一なんですよ。だからきっと
離れても新一は寂しくないだろうし。
寂しいのは私だけで…」
そんな事は無いはず、だって好きな人の事だよ?そんなの、有り得ない。事件に集中すると思うけど、毛利さんの事は24時間頭から離れないんじゃないかな。
「……寂しくない、なんてないと思いますけどね。」
「え?」
「私も、あったんです、
先生から離れて実家
へ帰ろうとした時。
先生は私が平気で離れたと
思ってるみたいでしたけど、
全然そうじゃなくて…。
ものすごく寂しかったんです。」
「……」
「自分から離れたのにやっぱりそう思うんです。
工藤さんも私と同じじゃないですかね?
ポーカーフェイスが得意なのかもそれか、
毛利さんが鈍感なのかもしれませんよ?」
「…そうですかね、」
「はい、探偵だからといって
好きな人の事を忘れるくらい
集中するなんて無理です」
それに、テレビで見た事がある、工藤新一さんのインタビューで、『彼女さんはいるんですか?』と質問を受けた時、『はい、いますよ。好きすぎて24時間、事件現場でもずっと彼女の事が頭から離れません、毎日惚れ直してるって言うか、本当に好きなんです』と答えていた。それを毛利さんは見た事ないのかな?
「だから毛利さん、
ちゃんと伝えた方がいいと思います。
離れたくない事、そしたら、工藤さんも、
伝えてくれるんじゃないですか?
毛利さんがほしかった言葉を。」
「寂しいって本当に思ってくれてますかね…」
「きっと思ってますよ」
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「…ねぇ、新一」
「どした、蘭」
「ごめんなさい」
「え?」
「この間、嘘ついた…
行って欲しいって言ったけど
本当は行って欲しくない」
「ど、どっちだよ、それ」
「行って欲しくないんだよ!
だけど、新一の夢の事を考えると行って欲しいの。
ちゃんと伝えたくて……」
もう自分の気持ちに嘘をつくのはやめた、七瀬さんの言う通り、ちゃんと伝えた方がいい。行って欲しくないって、ちゃんと、伝えたい…。不器用だから、上手く伝わらないかもだけど、正直に言おう。
「蘭…」
「新一は私と離れるのが寂しい?」
「当たり前だろ、急にどうしたんだよ」
「だって、いつも新一はさ、
平気な顔して私から離れていくじゃない?」
「平気な顔って、んな事ねーよ」
「だから、新一は寂しくないんだと思って、
それなら私だけ我慢すればいいんだと思って…
ロンドンに行く事を進めたの…」
「寂しくない訳ないだろ、
俺が何年蘭を好きでいると思ってんだ…」
「…」
「我慢は俺もしてたよ」
「本当に?」
「それ本気で言ってるの?」
「そう思ったからロンドンへ行ってって言ったの、
新一は、私の病気が心配で行かないんだと思ったから。
でも寂しい気持ちもあるなら、
ロンドンなんて、進めてない。
本当はそばにいて欲しいって言いまくる。どっち?」
「どっちもだよ、心配だし寂しい。」
「……でも、もし病気になんかなってなかったら、
寂しいって思ってても行っちゃうんだよね…」
「まぁ、そうだな…」
「それなら、ロンドン行ってきて、
こんな事本当は言いたくないけど、
病気なんかを理由にしたくない…」
これは本心だ、今度こそ本心だ。強くなろう、そしてこの病気と戦おう。私は強いんだ、病気に勝つために空手をやってきた、そう思えばいい。新一がいなくても、大丈夫。
「行っておいで、新一…」
「あぁ、そうする…」
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「それで工藤さんロンドン
行く事になったらしいんですよ。」
「そうなのか、でも今回の手術は一時的な事だぞ?
これからも入院生活は続くし、
いつどうなるか分からない。
止めた方がいいんじゃないか??」
「いえ、毛利さんと工藤さんが答えを出したんです。
だから止めるつもりはありません。」
「そうか…」
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「退院おめでとうございます!」
「ありがとうございます、七瀬さん」
「なんか、寂しくなっちゃいますね、
2年も毎日顔を合わせていたら……」
「…来年の4月、一旦
こっちに戻ってくる予定なんです。
なのでその時に会いに来ますね♪」
「はいっ、そうしてくださると嬉しいです♪」
「蘭っ」
「新一…」
毛利さん、やっと幸せを掴む事ができたんだね、白いワンピースに友人から貰った花束を持って、幸せそうに微笑んでいる。まるで、ウェディングドレスを着た花嫁みたい。
「行こうか」
「うん…」
「今まで蘭をありがとうございました」
「いえ、こちらこそ」
初めて会った時よりも明るい笑顔で2人はこの病院を出た。いいなぁ、あんな大恋愛。2人はこれから、ロンドンで暮らすらしい。もっと幸せになって欲しいな。
「おい、七瀬」
「あっ、浬さん!」
「さっき母さんから電話来て、澪が熱出たって。」
「えぇ!?」
そして、私と浬さんの間には、子供が出来た。名前は澪。みんな、はぴはぴはっぴーになれたらそれが1番幸せで嬉しいな。
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